Introduction

 14世紀後半から200 年以上続いた明王朝の背景には、ある秘密警察の存在があった――。
その名は「錦衣衛(きんいえい)」。法を執行する一方、反体制派を抹殺する暗殺集団でもある彼らの指揮官には、"青龍(チンロン)" の称号が与えられると同時に、一撃必殺の14 本の剣<大明十四刀>が授けられた。

しかし、絶対的な力を持ったはずの青龍は何者かの陰謀により、逆に部下たちから追われる立場となってしまう。己のプライドを取り戻すため、青龍は"処刑剣" を手に立ち上がる!

 運命に翻弄されながらも、常にクールなダークヒーロー・青龍を演じるのは今やアジアを代表する最強のアクション・スターに君臨するドニー・イェン。彼とともに逃避行を展開する可憐なチャオ・ホアには、『レッドクリフ』『少林サッカー』のヴィッキー・チャオ。彼らが旅の途中で遭遇する、盗賊"砂漠の判事・天鷹幇(てんおうほう)" には、台湾を代表するアイドル・ユニット「飛輪海(フェイルンハイ)」のメンバーとして絶大な人気を誇るウーズン。そして、青龍の命を狙う妖艶な悪女・トゥオトゥオには、『天使の眼、野獣の街』のミス香港出身、ケイト・ツイ。また、事件の黒幕であるチン親王を演じるサモ・ハンのほか、チェン・カンタイやダミアン・ラウ、ウー・マなど、往年のカンフー・スターらが顔を揃えるなど、新旧豪華キャストの共演が実現した!

 監督は『三国志』など、オリジナリティ溢れる設定と斬新な映像美で観客を魅了するダニエル・リー。実在した中国史上初の秘密警察をテーマに、今回も原案・脚本・美術を担当。アクション監督はユエン・ウーピンの片腕としてハリウッドでも活躍する、クー・ヒンチウ。砂漠での人馬一体となったアクションや城砦での攻防戦など、スケール感溢れるアクションが繰り広げられる。

 前代未聞のブレイド・アクション大作として仕上がった本作は、2010 年旧正月シーズンに公開し、中国・香港で大ヒットを記録した。

2010年/中国/カラー/35mm/スコープサイズ/ドルビーSRD/字幕翻訳:伊東武司/上映時間:113分 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 提供:エスピーオー
錦衣衛(きんいえい)とは
本作の原題でもある「錦衣衛(きんいえい)」とは、明朝初代皇帝である朱元璋(しゅげんしょう)が創設した、実在の秘密警察。設立時の彼らの基本職務は宮廷と儀式時の警護だったが、次第に秘密警察の意を帯びていく。また、主人公・青龍が助けを求め、ともに旅する「鏢局(ひょうきょく)」とは、明から清にかけて実在した運送業と警備業、保険業を兼ねた商売。主に金品や旅客の護送を請け負い、道中には用心棒が派遣される。安全のため、沿道の顔役にみかじめ料などを支払うことが多かったが、劇中のように荷を狙う盗賊に襲われることも少なくなかった。そして、物語のカギとなる「玉璽(ぎょくじ)」とは皇帝が用いる印章のことで、これが押された文書は絶対的なものとなる。ちなみに、青龍が持つ「大明十四刀」は映画オリジナルで、天・地・将・法・智・信・仁・勇と名付けられた8本の尋問用の剣とともに、6本の処刑剣から成り立つ。皇帝に背く者、政治を乱す者、法を曲げる者、国を売る者、同士討ちする者に対する剣。そして、14 本目の柄には「奉天成仁」と彫られ、これは彼が任務を果たせなかったときに、自決するためのものである。
ストーリー
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